標準グランドプレーン(GP)アンテナの動作シミュレーション(1)基本特性と同一大地条件での改善パターン

 以前に実施した標準GPアンテナのMMANA分析は、(悪い電気定数例の)都会地の大地と良好となる大地との分析であって、今回の水平アンテナの大地分析で使用している、当ブログの標準大地モデルでの評価ではありませんでした。
 今回、もういちど標準GPモデルを使って、DeltaLOOP形状のアースモデルと比較してみます。

(本論)
1.アンテナ定義
GP40Std_010.PNG
 放射器側は、10.5mとLOOP形式GPと同じです。

2.アンテナ形状と電流分布
GP40Std_020.PNG
 給電点が電流最大点となる電流給電タイプの標準方式のGPアンテナです。

3.計算
GP40Std_030.PNG
No.1は、自由空間の場合で、-0.84dBd(-0.65dBd:LOOP方式、以下同様)は、λ/2DPに比べると相対利得がマイナスであることを意味します。これはアンテナの動作が悪い意味ではありません。DPのように8の字特性ではなく、無指向性となるために利得が落ちるためです。

No.2は、MMANA標準大地(都会地)の場合で、絶対利得Ga:-1.82dBi(-1.88dBi)は垂直アンテナとして不良です。少なくとも3dBi近くの利得が正常動作できる標準値となります。

No.3は、地面のアース状況を改善するために地表ラジアル5m×12本を給電点を中心として、アンテナ直下に敷設した場合です。これでもGa:1.82dBi(1.97dBi)は、アンテナ動作としては不良です。

RとjXで見たアンテナ動作は、自由空間の場合約R:23Ω(20Ω)、実際の大地状態だと約R:37Ω(37Ωと同じ)は、正常なアンテナ動作とみることができます。今回の絶対利得が低い原因は大地の電気定数にあるとみています。

4.パターン
GP40Std_040.PNG
 地上高1mの場合での打上角25.5°(25.8°)は垂直アンテナの低角度放射の代表例です。DX向けの典型的な放射パターンです。ただ、その動作での問題は、Ga:1.82dBi(3dBi標準比較だと)-1.18dBとなっているところです。

 これらのことから判ることは、LOOP形状アースのほうが、標準のアース形状よりも僅かですが、優れていることになります。

5.Gaを改善できた場合のパターン
GP40Std_045.PNG
 Ga:4.36dBiとそのときの仰角:13.9°をMMANA上だけでなら実現できています。 
 今はこの詳細は公開できませんが、MMANAの設定だけで先の「地表ラジアル5m×12本」と同一条件の設定を確保しながら、この大地状態を再現することができます。理想のGPアンテナとしては、このパターンとなるほうがよりベターであるのは、間違いありません。 
※実際の大地上で再現は今のところできていません。あくまで、MiniNECの計算ルーチンだけのマジックです。

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