標準GPアンテナを地表すれすれに設置動作シミュレーション(2)周波数特性と実際の地面への適用

 今回は、周波数特性についての分析です。通常のGP長がλ/4(1m高)との比較です。
(本論)
1. Z(R,jX)特性
OnGroundGP_std_Radial_050.PNG
 マッチングは取らない状態の場合です。共振点は設計どおりの7.100MHzです。

2. SWR特性
OnGroundGP_std_Radial_051.PNG
 7.100MHzで50Ωにマッチングをとった場合の帯域幅です。SWR<1.5は約250KHz(λ/4長:230KHz)帯域、SWR<2.0では約486(λ/4:442KHz)帯域が取れます。( )内は1m高のGP電線がλ/4長の場合で、それよりも少しだけ広帯域となっています。
3. GaとF/B
OnGroundGP_std_Radial_052.PNG
 Gaは7.000MHz付近が高く、7.2000MHzが低い傾向ですが、その差は0.1dB以下ですから、ほぼ一定とみてよいと思います。F/Bもほぼ無指向性です。これは絶対利得の差はありますが、周波数帯域の特性は、λ/4線長GPアース側の場合と同じになります。

4. パターン
OnGroundGP_std_Radial_053.PNG
 周波数によっての放射パターン変化はありません。

5. 実際の地面への適用
 通常のGPと同じ放射パターンを描くことから、地面すれすれに設置してもGPアンテナとして動作は可能です。ただし、λ/4長のGPアース線では、誘導性リアクタンスを持ち、良好なアースとして動作しません。今回の地面の電気定数設定では、λ/4長×0.6倍でMMANA上では、電流最大点となりましたが、実際の地面では、その地面の電気定数によって、このGPアース線長さはかなり違ってきます。また、地面との高さにおいても地表すれすれになるとちょっとの高さの違いでも、GPアース電線の長さが異なります。目安としては、今回のMMANAでも行ったように給電点のリアクタンスを0Ωに近づけることにより、最適の長さを求めることができます。

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