HDAアンテナのMMANA分析(15)21MHz帯:DirectFeed(1)基本特性

 HDAアンテナ実測から少し時間経過しましたが、MMANAによる分析の結果です。
 今回は仮想給電点にコンデンサーC=180pFを挿入することで、jX=0の共振点を周波数21.200MHz付近に設定することとしました。
 ただし、給電点の抵抗分が50Ωから離れているため、周波数特性では、マッチング回路を付加する必要があります。今回のところは、180pFコンデンサー追加のみです。


(本論)
1.アンテナ定義
HDA_21.2MHz_010.PNG
 詳細な定義は省略します。21MHzでの他バンドとの違いは、給電点に入るコンデンサー容量180pFだけです。
 
2.アンテナ形状と電流分布
HDA_21.2MHz_020.PNG
 この周波数では、一部の電流分布に乱れが生じています。電流の方向が反転する部分において、電流変化が滑らかではりあません。特に、図の右側に当たる屋根の軒先における電流分布が顕著です。正弦波の分布となっていないことから、計算に何らかの支障があるようです。この原因については不明です。

3.計算結果
HDA_21.2MHz_030.PNG
No.63は、自由空間の場合で地面が無い場合でもアンテナとして動作し、その場合水平系アンテナ動作です。

No.64は、完全導体グランドの場合、この場合でも水平偏波の優勢となっています。それによる絶対利得Ga:8.61dBiは、水平アンテナの利得として良好です。
 このときのZ=R+jX≒100-j5Ωとなって、R値が高いことから高調波アンテナとして動作していることが予想できます。
 
No65は、MMANAの標準大地(誘電率5,導電率1mS/m)の場合、絶対利得Ga:7.02dBiは、水平系アンテナとして良好となっています。

No.66は、No.65大地の原点位置(給電点位置では無い。)に5m×12本の地表ラジアルを設置した場合、絶対利得Ga:7.89dBiは、地表にあるラジアルアースの反射のおかげですが、水平アンテナとして良好です。ただ、ラジアルアースの影響は、+0.87dBとなって、アースの効果はあまり有効ではありません。


4.パターン
HDA_21.2MHz_040.PNG
 上記、No.66のパターンです。黒線グラフは、水平偏波成分で、こちらが優先で、水平系アンテナとなります。赤線は垂直成分です。
 どちらの成分も、三つ葉のクローバーのようなパターンとなっています。そして、水平面においては、水平偏波と垂直偏波の放射方向は完全にずれています。
(合成パターン)
HDA_21.2MHz_041.PNG
 合成パターンでみてもかなり、いびつな指向性が出ています。垂直面においても同様に対象形となっていません。

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