DuoBand Mobile Whip Antenna(10)独自設計Ver2:高利得狙いとした基本特性(2)21MHz

 今回は、前回の続きで、21MHzにおける基本特性です。実は、7MHzよりも21MHzの設計が難航しました。通常のマルチバンドアンテナのようにドラップで先端側エレメントを切り離すわけにはいきません。21MHzでもエレメント先端まで、動作させないとSWR帯域幅も、動作利得も確保できないからです。

 そのためにエレメント途中に入れるコイルとコンデンサーの組み合わせが、とても大事です。それと動作はクリチカルになることから、実際、作成しようとすると工作精度と一本づつの調整が欠かせないので、この方式では、大量生産できません。ただ、自作で1本だけ作成するのならば、それは問題となる部分ではありません。

 ですが、実装素子数をもっと減らさないと実用的と言えないことも事実です。

(本論)
1. アンテナ定義
 前回の7MHzと全く同じなので省略します。

2. アンテナ形状と電流分布
HFC721 for 7/21MHz_221.PNG

3. 計算
以下は、周波数だけを21.200MHzに変えた場合で、その他の物理的変化箇所はありません。
(21MHz)
HFC721 for 7/21MHz_230.PNG
No.5は、21MHzでの自由空間の場合、リアル大地と共振周波数はあまり変わりません。DPとの対比利得Gh:-6.12dBdと7MHzとほぼ同性能を得ます。
※HFモービルホイップでDP比-6dB(電力比:1/4倍、電界強度比:1/2倍)は、良好な部類だと判断します。
No.6は、21MHzでの都会地大地の場合、絶対利得Gaは、-0.44(Ver1:-2.73)dBiと約+2.3dBとかなり改善できています。
No.7は、7MHzでの5m×12本のラジアルを給電点付近に埋設した場合で、こちらは、Ga:+1.35(Ver1:+0.34)dBiとなり、約1dB改善できました。

4.パターン
(2) 21MH動作
HFC721 for 7/21MHz_241.PNG
 λ/4(3.8m)長の水平設置の1本ラジアル動作は、7MHzと同様です。ただし、10.5m長ラジアルも21MHzでは、3倍高調波として動作します。するとラジアル放射は、その分お互いに打ち消し合います。よって、7MHz用ラジアルには、根元にトラップを入れて21MHzでのラジアルとして動作しないようにしました。
※実際の設置だと7MHz(10.5m長)ラジアル1本のみで21MHzの3倍高調波動作で実用上は十分かと考えます。

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