(補足その2)MMANA付属(8EL6MW.MAA)に対するセグメント指定0,-1の計算結果相違と過去の設計例で再検証

 前回指摘したMMANAのエレメント定義における個々の行における「セグメント指定」0,-1の違いを大元の付属モデル8EL6MWについて明示して、今までの50MHzモデルについて、全般に見直しを行う必要があることの確認です。

 そのための検証として、過去の個人的な設計例では、このセグメント指定Seg:-1については、既に対応済である例についてSeg:0として設計した場合を掲げます。

(本題)
 FDモデルの不測の利得低下で気付くことができたセグメント指定の適否について、この元データであるMMANA付属モデルで検証してみます。というのは、エレメント自体は真っ直ぐではありますが、複合パイプ(14φと10φを接合)指定で異径パイプ結合が途中にあることから、この部分については、エレメントが折れ曲がった状態と同じく不連続状態となることから、セグメント指定:0だと、まずいのでは?と判断しました。
※この部分については、セグメント指定:-1によるテーパリング措置を行うべきと考えます。
 そのことを検証しています。

1 Seg:0とSeg:-1との計算違い結果を連続表示
Seg:0VS-1_030.PNG
 全て、アルミパイプの場合です。
(1)8EL6MW.MAAの計算結果(Seg:0)
No.1は、自由空間の場合、No.2は、地上20m高に設置した場合
(2)8EL6MWR.MAAの計算結果(Seg:-1)
No.3は、自由空間の場合、No.4は、地上20m高に設置した場合
 それぞれを対比しますとやはり違いを生じていることが解ります。但し、どれが正しいかの判断はこれだけではできません。
 
2 過去のアンテナ設計事例
 2008年当時に設計した18MHzのHB9CVアンテナのMMANA設計値です。
これも複合パイプ指定R:-1.0を使用しています。 
(1) アンテナ定義(抜粋)
過去設計例17mHB9CV_010.PNG
 全ての行においてセグメント指定Seg:-1を指定しています。

(2) 計算結果(ワイヤーは無損失とした。)
No.5は、自由空間の場合、No.6は、地上17m(1λ)高に設置した場合
過去設計例17mHB9CV_030.PNG

(3) Seg:0で再計算
No.1は、自由空間の場合、No.2は、地上17m(1λ)高に設置した場合
過去設計例17mHB9CV_031.PNG
上記(2)結果と対比するとR,jX,Gh,Ga,F/Bでかなりの違いがあります。
※ただし、Seg:0での最適化はせず、そのままで計算した。

(4) Seg:0の状態にて最適化実施
過去設計例17mHB9CV_032.PNG
最適化を行ってもSeg:-1計算には近づきません。

3. 結果判断
 複合パイプを組み合わせたエレメントについては、セグメント指定Seg:0よりもSeg:-1を指定したほうが、各数値が優れた状態となるようです。特にjXとこれが影響するF/B値に影響があるように推測しています。
 

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