50MHz用八木:8エレメント(23)8EL6MW.MAAオリジナル(2)ラジエータ定義をヘアピン付加対応の事前準備だけで生じた問題点

 前回紹介したオリジナルのラジエータ定義は、複合パイプ指定1本の中央に給電する形状設定なので、そのままでは、ヘアピン回路を設定できません。そこで、複合パイプ設定を止めて、14φパイプと10φパイプを個別に設定しました。それもエレメント左右別々の設定にすることです。

 なぜなら、給電点中央位置から、スタブ間隔の半分だけ離れた位置ヘアピン用スタブを取り付ける必要があるので、その節点をラジエータに設ける必要があるためです。

 なお、給電点は、その左右の節点どうしを結ぶワイヤー定義No.1(14φパイプ)の中点(W1C)としました。

 そして、この状態で計算したなら、元のオリジナル設計となんら変わりない計算結果となるはずだったのですが・・・。


(本論)
 以下は、ラジエータ設定のみ変更した状態の8EL6MW.MAA
(1) アンテナ定義(テキスト表示版)
 前回のラジエータ定義である
ワイヤ-No.1: 0.0, -1.43, 0.0, 0.0, 1.43, 0.0, -0.001, 0
 ※左-1.43m~右+1.43mの複合パイプ(中央±1mまでは14φパイプ)それより左右先端側は10φパイプと設定しています。
 ※複合パイプ設定:-0.001, 0, 2.0, 0.007, 99999.9, 0.005
 ※エレメント左右は、ビーム正面方向に向かって、反射器側位置から見た各エレメントの区分です。


 (今回のアンテナ定義)
ラジエータのみ設定変更8ELE6MW0000_010.PNG
 今回は、上記と同等のエレメントとして、個別のエレメント指定とヘアピンマッチ装着のために中央点から左右±20mm位置に節点を設けた。

 ラジエータを全部で5分割とし、
ワイヤーNo.1は、
 中央部の給電点用パイプ14φ
 中心点(給電点)から左右それぞれ20mm(合計40mm)長を指定

 〃  No.2は、
 左側エレメントの14φパイプ
 No.1の節点から0.8m伸びた位置(中央点から1m)までを指定

 〃  No.3は、
 右側エレメントの14φパイプ
 No.1の節点から0.8m伸びた位置(中央点から1m)までを指定

 〃  No.4は、
 左側エレメントの10φパイプ
 中央点位置から1mより先端の設定で、0.43m長を指定

 〃  No.5は、
 右側エレメントの10φパイプ
 中央点位置から1mより先端の設定で、0.43m長を指定

 ※このNo.1~No.5設定と前回の定義ワイヤ-No.1定義と同等であることは次項「アンテナ形状と電流分布」で確認しました。

(2)アンテナ形状と電流分布
ラジエータのみ設定変更8ELE6MW0000_020.PNG
 前回のオリジナル状態との電流分布にはほとんど違いが無いことが確認できます。また、アンテナ形状も一致しています。

(3) 計算
ラジエータのみ設定変更8ELE6MW0000_030.PNG
No.1とNo.2は、前回のオリジナル設計状態での計算
No.3とNo.4は、今回のラジエータ定義のみを同等形式に置き換えた状態で計算

 自由空間(No.1、No.3)と20m高(No.2、No.4)のどちらの状況においても、両者のRとjXは一致しません。Rは誤差範囲と言えますが、jXは、-22~-23Ωが、+2Ωまで変化してしまっています。
SWR的には、後者のほうが良いのですが、ヘアピンマッチの場合には、jXは、必ず負の値、それもRに関係した値で、ここのR≒38~39Ωだと概ね-21Ω~-22Ω付近でないとマッチング条件に合致しないのです。

 ですから、ラジエータの全長や異径パイプ接続位置は変えずにヘアピンマッチを設けるだけの節点位置の設定変更だけをした場合にも関わらずアンテナの電気的特性RとjX、特にjX側が、所定の-22Ω付近から、ほぼ共振状態といえる+2Ωに変化したことが問題となりました。

 ラジエータエレメントの寸法やパイプ接合状態は何も変化させていません。それなのにこれだけMMANA計算が違うことの理由が不明でした。通常なら、エレメントを分割してもその全長が変わらなければ、計算結果は一致するはずです。
 今回の両者の計算結果の違いのように、ワイヤー指定方法の違いで生じてしまうMMANAの内部計算処理に問題があるのでは?が疑えるのです。

この記事へのコメント

JA7PRV
2025年07月20日 17:47
niceです(^_^)v

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