【伝送線路の基礎理論】伝送線路の電圧と電流分布式の導出(3)反射係数(3)完了

 ここでの要点は、伝送線路の任意の1点における電圧・電流の波形は、入射波と受端点における反射係数の関係で表現できることに帰着します。
(本論)
 ある点の入射波Viに対する反射波Vrの比
ρ=Vr/Vi=(B/A)e^2γx  .....(5.264)
をその点の反射係数と呼びます。

※ ρ,Vi,Vr,γ(ガンマ;伝搬定数=α+jβのこと)はいずれも上に「・」が付くベクトルです。表記しづらいので、以下も省略しています。

 ある点の反射波Vrは、その点の入射波成分Viと反射係数ρがわかれば(5.264)式から求まります。反射係数ρを用いて、(5.259)式のVx,Ixを表せば
Vx=Ae^(-γx)+Be^γx
                 }......(5.259)
ZoIx=Ae^(-γx)-Be^γ

Vx=Ae^-γx (1+ρ)=Vi(1+ρ)
                    }.....(5.265)
ZoIx=Ae^-γx (1-ρ)=Vi(1-ρ)

画像

 上記、第5.28図の伝送路で、送端からの線路長xを受端からの長さdで表せば、x=l-dですから、反射係数ρは、
ρ=(B/A)e^2γ(l-d)  .....(5.266)

上式で受端、d=0における反射係数ρ0とすれば、
ρ0=(B/A)e^2γl  .....(5.267)

したがって、x点(またはd点)反射係数ρは、(5.266)式に上式を代入して
ρ=ρ0e^-2γd  .....(5.268)

これを使って、(5.265)式を表せば
Vx=Vi(1+ρ0e^-2γd)
                       }.....(5.269)
ZoIx=Vi(1-ρ0e^-2γd)
となります。
 この(5.269)式の電圧、電流を表す結果式は次のような説明ができます。

 電圧分布Vxは、その点の入射波Viと反射波Vrの合成波であり、反射波は入射波よりさらに受端までdだけ進行し、Vie^-γdとなったとき、受端で反射してρ0Vie^-γdとなります。さらにdだけ進み、
ρ0Vie^-γd × e^-γd = ρ0Vie^-2γd

となるわけです、よって(5.269)式のように表すことがわかります。

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