(検証-4)【50MHzDP】10φPipe(Wire#3,#4)エレメントのSeg:-1を各試行でのR,jX計算検証【前半】

 前回問題のあったラジエータの先端となる10φパイプ側の計算の再現とその対策についての検証です。原因はわかりませんが、#3定義:-y軸側のエレメント設定にのみ、当現象が顕著に発現することが、今回の試行でわかりました。

 このため、(通常のアルミ製パイプなら当然なのですが)釣り竿式に異なる口径パイプを繋いだ1エレメントを使う場合には、そのエレメントの定義行について、個別にSeg:0とSeg:-1を混在して設定する場合には注意が必要です。

 解決策としては、このような異径パイプ接続接続の場合には、該当エレメントの各定義には、全てSeg:-1とするのが、安全策のように思います。ただし、今回の結果から見ますにjX成分は、やや誘導性に傾く傾向はあることに留意してください。

※組み合わせパイプの「Type:⇔」とSeg:0での指定なら、jX計算も正常と思われます。

※今のところ1つのエレメントに関係する定義全てをSeg:-1とした場合の異常な数値は現れていません。ですから、そのエレメントに関係する行の全てをSeg:-1指定することは問題ありません。
 一方、このようなエレメントの場合にその定義全てをSeg:0に指定する場合は、jXの計算が実態よりかなり誘導性となるように思われます。よって、こちらは推奨できません。※


(本題)
1.前回の10φパイプ(#3定義行)にSeg:-1指定した場合だけに計算結果が異常を再現確認
(1) アンテナ定義
Seg-1異常_010.PNG
 今回、#1、#3、#4各定義行にSeg:-1指定とした場合に異常か発生するか?を確認しました。ここでは、異常発生したときの定義を表示しています。

※説明の関係で、順番を入れ替えしています。
(2) 計算 
#1,2,3Seg-1_各計算結果030.PNG
No.1 定義行#1(Y1=-0.02,Y2=0.02)にSeg:-1を設定した場合
   jX=13Ωと誘導性を示すが、計算結果は正常範囲

No.2 定義行#3(Y1=-0.02,Y2=-1.0)にSeg:-1を設定した場合
   R=42.791Ω,jX=-124.2Ωはλ/2DPだと異常な計算結果です。
   -Y軸側エレメント1mから先端0.43mエレメントが無い状態です。

No.3 定義行#4(Y1=0.02,Y2=1.0)にSeg:-1を設定した場合
   No.1同様に誘導性となるが、jX=10Ωとやや少ない。
   計算は正常範囲
 
(3) アンテナ形状・電流分布
① 定義行#1にSeg:-1としたとき、電流分布は正常範囲
#1_Seg:-1正常_020.PNG
② 定義行#3にSeg:-1としたとき、前回同様の-y軸側の電流分布だけが異常を確認。
#3_Seg-1異常_020.PNG
③ 定義行#4にSeg:-1としたとき、電流分布は、14φパイプ(#5行)との間が微妙にずれています。電流分布に異常ありと認識します。
#5_Seg-1やや異常_020.PNG

 以降もこの検証は続きますが、それは次回とします。

 今回は、これに関するMMANAマニュアル等からのSEGに関する説明を引用します。これが、今回の問題解明とその対策に重要なカギであると思っています。

(参考情報)
======MMANA.txtより引用=======
SEGに設定する値はセグメント分割の方法に関り、次のように記述します。
手動均等分割 正の値
自動均等分割 0
テーパリング 負の値または、DM1,DM2の連記
 なお、セグメント、テーパリング等については「Append.Txt」を参照して下さい。
手動均等分割を行いたい場合はSEGに正の値を設定します。この場合、設定した値でワイヤは均等に分割されます。
自動均等分割を行いたい場合は0を設定します。この場合、分割幅は1/DM2λに近い値になります。
テーパリングを行いたい場合は負の値を設定します。-1を設定すると分割幅は1/DM1λ~1/DM2λの範囲でテーパリングされます。-2を設定すると始点のみテーパリングされます。-3を設定すると終点のみテーパリングされます。
======================
~~~~~~Append.Txtより引用~~~~~~~~~~
○セグメント、テーパリングについて
 モーメント法では、ワイヤをセグメントという単位で細かく分割し、その分割した各セグメントに流れる電流を計算しますので、どのように分割するかが計算精度に大きく影響します。

ダイポールや八木等の1本の直線で構成されるエレメントの場合は、均等に10等分や20等分にしても、それほど大きな誤差は出ないとされていますが、例えばループアンテナのようにワイヤに折れ曲がりがある場合は分割幅を小さくしないと誤差が大きくなり精度が悪化します。

テーパリングというのはそれを少しでも改善しようという方法で、折れ曲がり付近(1つのワイヤの端)を細かく分割し、中央部のほうは荒くしていく方法です(すべてを細かく分割するとセグメントが増えて計算時間が増大します)。
また折れ曲がりのない1本の直線で構成されているエレメントの場合も、テーパリングを設定する事により少ないセグメント数で計算精度を確保できる場合があります。

 いずれの場合でも、インピーダンスの計算精度を上げるには、セグメントの分割幅を細かくする必要がありますが、あまり短く(0.001λ以下)すると逆に計算が不安定になり、また直径とセグメント長の比が4以上あるような太いセグメントでは誤差が大きくなるとされています。
以下に代表的なアンテナのSegとDM1、DM2の設定値を示します。なおこれはあくまで一般例ですので、アンテナの形状や給電の仕方によっては更に細かく分割する必要がある場合もあります。

アンテナ種別 Seg DM1 DM2
ダイポール・八木系 0または-1 200-400 40
正方形ループ -1 200-400 40
三角形ループ -1 400-600 40
長方形ループ -1 400-600 60
ヘンテナ -1 400-600 60
(Segが0の時はDM1の値は結果に関係しません)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この記事へのコメント

JA7PRV
2025年07月20日 16:07
とても興味深い現象ですね。私などはまだまだMMANAの学びが足りません(>_<)

ラベルリスト

最近のコメント