(50MHz八木) γマッチ(11)主ビーム偏り検証(12)BOOM_⊥_ELEMENT(直交)モデル

 今回は、Di-2,Refを、その間のBOOMとは直交した、通常の八木のエレメント配置での評価モデルです。
 このモデル化により、主ビームの傾きがどうして生じるか?のひとつの解答が得られたと思っています。

 ただ、これが正しいとすれば、「γマッチによる給電方法だけの問題ではない。」との結論に帰着します。

(注)γマッチから単なるRadの中央給電(BOOMとは絶縁)に変えると主ビームの傾きは無くなりました。よって、上記結論は撤回します。2025/09/25 19:50 加筆修正

 それが生じる(仮定)条件は、
①(導波・反射・放射)器エレメントの少なくとも2本以上のエレメントが導体であるBOOMと電気的に接続されている。
② 影響し合う2エレメントの片側がλ/4長に近い長さで、その合計長がλ/2長付近にある。
③ 影響し合う2エレメント間の配置間隔がλ/2または、その整数倍近くの距離となっている。
 そして、(今回モデルで証明できませんが、)8エレメント動作から言える逆の効果が生じる場合
④ 影響し合うエレメントが2本以上の場合には、中間位置にあるエレメントがBOOM上の電流阻止として働き、この影響が緩和される場合もある。

 但し、④については、どういった配置だとBOOM上の電流阻止が可能なのか?までの分析には未だ至っていません。

(本論)
1. アンテナ定義
4EL6MW_γ11-12_010.PNG
 定義は、かなり複雑になっていますが、アンテナ形状を見ていただくと判るように単なるBOOMと導通した同一長の2エレメントです。

2. 計算
4EL6MW_γ11-12_030.PNG
 2倍高調波アンテナで動作するため、給電点インピーダンスのR:100[Ω]前後になります。これは、前回の直線1λアンテナモデルと変わりありません。
 ただ、主動作エレメントと補助動作エレメント(各エレメントのもう片側)があるために給電点インピーダンスのR:110[Ω]とやや高くなっています。

3. アンテナ形状と電流分布
4EL6MW_γ11-12_020.PNG

4. パターン
4EL6MW_γ11-12_040.PNG
 水平パターンは、仰角1°で観察したものです。
 前回の1λ長直線モデルでは再現できなかった、主ビームの偏りを再現できました。また、垂直成分は前回の直線1λと同じような状態です。

 これから、主ビームの偏りの発生源は、BOOMを挟んだ、互いに反対に配置するエレメントの片側同士の放射によるものと判明します。

 但し、これが生じるためには、BOOM上に電流が流れる状態が必要となっています。それとこの電流が、両端にあるエレメントの片側だけに流れることが条件なのですが、このような状態になるための要因は不明です。

 今回モデルでは、もう片側エレメントにCを挿入して、そちらの電流分布レベルを落としているので、このパターンが生じています。そのCが無いと両エレメントにも同量の電流分布となって、全く違うパターンになって、この仮説は成立しません。

※「八木アンテナをつくろう」本だとγマッチの不平衡給電状態により、BOOMに電流が漏れることで、この状態となるとの記述なのですが、今回の評価4エレメント八木モデルは、γマッチしたRadとBOOMは絶縁状態です。

 また、γマッチ部分の電流は、確かに不平衡なのですが、それを打ち消す逆相電流がロッド上に大きさは同じ程度分布しており、これらは打消し合っていると思われます。さらには、γマッチを除いた左右エレメントの電流分布は、通常のDPと同じように同相で平衡している分布だと判断できます。
(根拠)
(50MHz八木) γマッチ/主ビーム偏検証(8)4エレメントの場合(9)主ビームが偏る事例
https://jo3krp2.seesaa.net/article/518229545.html
「3.アンテナ形状と電流分布」のRadの電流分布考察結果より

 このBOOMと片側エレメントだけに電流が乗る状態については、まだ他の要因もあるような気がしています。

(注)上記の結論取り消し理由と同様ですが、Rad中央給電だと正常な主ビーム放射に変わることから、「八木アンテナをつくろう」本の指摘どおりです。つまり、(BOOMと”絶縁状態”であっても)γマッチだとRadの不平衡給電が、BOOM上に電流を生じ、さらに、その電流が両端のエレメントの電流分布の不平衡状態を作り出しているといっても矛盾はありません。但し、両端エレメント同士の左右反対側のエレメントの電流が大きくなることの詳細なメカニズムまでは説明されていません。

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