電磁気学(111)波動方程式(9)平面波(5)電場ベクトルと波の進行方向の関係から横波となる証明

 波動方程式の解となっているE(r,t)を自由空間におけるマクスウェル方程式(13.1)~(13.4)に当てはめることで、電場と磁場がどのような波として伝搬しているかを探ります。
(本論)
自由空間におけるマクスウェル方程式は、
∇・=0           ....(13.1)
∇・=0           .....(13.2)
∇×=-∂B/∂t       .....(13.3)
∇×B=ε0μ0(∂/∂t)    .....(13.4) 
でした。

 まず、電場と波の方向との関係についてです。式(13.1)に平面波の解:式(13.10)を代入します。
E(,t)=o sin(E-ωEt)   ....(13.10)
ここでは、あえて磁場とのパラメータとの違いを明確にするため、とωに添え字を添付しています。すると式(13.1)の左辺は、
∇・=∇・{o sin(-ωEt)}
 =(∇・o) sin(E-ωEt)+o・∇ sin(E-ωEt)

 (∵ ベクトルの恒等式:ベクトルAとスカラーφの積の発散
    https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1075135560
    ∇・(φ)=φ∇・・∇φ
    A→o φ→sin(E-ωEt)
  )

 ※上式において、∇・oは、式(13.1)の左辺と同じでゼロとなりますから、第一項はゼロとなって消えてしまいます。


∇・o・∇ sin(-ωEt)
 ここで、直角座標の各成分別に表記しますと
 =(Eox,Eoy,Eoz)・(∂/∂x,∂/∂y,∂/∂z)sin(kExx+kEyy+kEzz-ωEt)

 ※前回と同様にsin関数の各成分に微分を適用します。
  そこで、xを代表としますとkExx以外のkEyy,kEzz,ωEtはすべて、定数扱いして、それらは消えてしまいます。
  (∂/∂x)sin(ax+b)→(d/dx)sin(ax+b)
   ここで、v=sin(ax+b)、u=ax+bとおきますと
   合成関数の微分法に従えば、dv/dx=(dv/du)・(du/dx) 
   dv/du=(d/du)sin(u)=cos(u)  ...(1)
   du/dx=(ax+b)'=a ...(2)
   ∴  
   (1)×(2)が求める答えとなって、
   dv/dx=acos(u)
   ここで、u=ax+bに戻しますと
   ∴ dv/dx=acos(ax+b) ...(3)
   ここで、元式では、a=kEx、b=kEyy+kEzz-ωEtが該当するので、それらを(3)に適用しますと
   kEx cos(kExx+kEyy+kEzz-ωEt) ....(4)
   となります。同様にy,z成分について上記、合成関数微分式を適用しますと
   kEy cos(kExx+kEyy+kEzz-ωEt) ....(5)
   kEz cos(kExx+kEyy+kEzz-ωEt) ....(6)
 ∴求める最終式は、(4)~(6)の総和とするのですが、このとき、注意すべきは、元の∇の各成分別の単位ベクトル(,,)はそのまま引き継いでいますから、
  (kEx+kEy+Ez)cos(kExx+kEyy+kEzz-ωEt)
  これを行列で表記しますと単位ベクトルは省略できますから、
  (kEx,kEy,kEz)cos(kExx+kEyy+kEzz-ωEt) 
 

∇・=(Eox,Eoy,Eoz)・(kEx, kEy, kEz) cos(kExx+kEyy+kEzz-ωEt)
   =oE cos(kExx+kEyy+kEzz-ωEt)   ....(13.25)
 (∵ ベクトル同士の内積=(Ax,Ay,Az)・(Bx,By,Bz)を意味します。)
となります。自由空間では、∇・=0ですから、これの右辺は恒等的にゼロとなる必要があります。そのための条件は、
oE=0 ....(13.26)
です。これはベクトルoEのスカラー積(内積)についての幾何学的イメージを適用しますと、「電場と平面波の進む方向は直交している。」と判明します。すなわち、電場の波は”横波”であると言えるのです。




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