ワイヤーアンテナ本からの「アンテナ理論」再編(2)気になる電磁波の発生とその伝達イメージ
今回は、ワイヤーアンテナ本と同じ図面が、そのままワイヤーアンテナ【オンデマンド版】でも採用している図の問題点についての指摘とその補正です。
(本論)
前回紹介した、
ワイヤーアンテナ【オンデマンド版】見本「第1章 1.1 電波とは」
https://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/14/14761/14761_wire_1-1.pdf
---------以下は、ワイヤーアンテナ【オンデマンド版】見本から引用-------
>さて,このコンデンサの両極板間に変位電流が流れると,アンペアの右ねじの法則(図1-3)から,
この電流により磁界が生じ,この磁界は変位電流の変化とともに変わります.磁界が変化すると,そ
の周囲に起電力が生じます.
これは,ご存じのファラデの電磁誘導の法則(図1-4)で,空間で磁界が変化すれば,その変化を妨
げる方向に電界が発生します.
このように考えていくと,変位電流によりその周辺に変化する磁界が生じ,さらにこの変化する磁
界により変化する電界を生じます.また,この変化する電界は変位電流で,これにより再び磁界がで
きます.このように電界と磁界は互いに関係しあって図1-5のように,あたかも鎖の輪のような感じで,
遠くへ遠くへとつながっていきます.
これが,電波が空間を飛んでいく原理だと考えればよいでしょう.
【図面のコピー】

----------ここまで、引用した内容----------------------
ここで何が問題なのかを言うと電界(電場)のループと磁界(磁場)のループが互い違いに生じているかのように描かれているところです。これだと平面波で述べた電場と磁場の関係である
電磁気学(116)波動方程式(14)平面波(10)位相項が加わった場合の平面波
https://jo3krp2.seesaa.net/article/519690075.html
の最終式を掲載しますと
kE×Eo-ωBBo
kE=kB
ωE=ωB
θE=θB
から、位相θEとθBが、この時間差だけずれていることになるからです。すなわち、電界の波と磁界の波の位相が異なることを意味してしまいます。しかし、実際は、上記の式から全く同相であることが証明されているのです。
つまり、電場と磁場と発生時間のずれは全くありません。マクスウェル方程式に従うメカニズムにより、全く同時に発生することに注意して欲しいのです。
前回述べたマクスウェル方程式の
▽×E=-∂B/∂t
▽×H=J+∂D/∂t
から、ここでは、真空中(自由空間)において、電荷ρや導電電流Jは無いことを前提としているために上記式は、
▽×E=-∂B/∂t ....(1)
▽×H=∂D/∂t
(∂D/∂tが変位電流を意味する。)
または、現在の主流の記載だと磁場を磁場の強さH→磁束密度B、また電束密度D→電場Eに書き換えして
∇×B=(ε0 μ0)∂E/∂t ....(2)
のほうがここでの説明として解りやすいかもしれません。
式(1)は磁場の時間的変化が電場の回転を生じ、式(2)は電場の時間的変化が磁場の回転を生じることを意味します。この電場Eと磁場Bの回転には、上記図1-5のようなお互いの遅延関係は無い考えとなるのです。
言い換えるなら、
「変位電流からまず磁場が発生して、その後、僅かに遅れて磁場の影響により電場が発生する。そして、次には、この電場の影響により、次の新しい磁場が少し遅れて発生する。」という解釈ではないということです。
正しくは、次図に示すように電場と磁場は時間的に全く同じタイミング(同相)でお互いの場(ここでは互いに直交するループで表現)を発生しています。

(正しいイメージ図)
この問題となった図1-5同様の図は、当ブログでも当時誤ったまま「電場と磁場の連鎖関係の図」として、過去の記事で掲載しておりました。ただし、その後に、その図には誤りがある旨の説明を赤字にて掲載しています。
【誤りの電磁波の伝達イメージ図】
電磁気理論第4弾 時間変動する電磁場のまとめ(電波の予言を示した2つの式)
https://jo3krp2.seesaa.net/article/201003article_9.html
そして、全く同タイトルとして、これを補正した当ブログ記事は、
【正しい電磁波の伝達イメージ図】
電磁気理論第4弾 時間変動する電磁場のまとめ(電波の予言を示した2つの式)
https://jo3krp2.seesaa.net/article/201205article_1.html
があります。こちらにある図が、今回問題とした図1-5を正しく描いたものと思っています。
このときの図1-5のような連鎖関係は誤りであるといった根拠の文献は、
----------------------------
わかりやすい電波と情報伝送
後藤尚久(編)
発行:オーム社
2009年
-----------------------------
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784274208089
になります。
<補足>
後藤尚久氏は、アンテナに関する研究者の日本を代表する一人でした。次の情報によれば、2023年12月14日(88歳)に亡くなられたとあります。
https://app.journal.ieice.org/trial/107_5/k107_5_480/index.html
過去の業績については、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E8%97%A4%E5%B0%9A%E4%B9%85
で確認できます。
(本論)
前回紹介した、
ワイヤーアンテナ【オンデマンド版】見本「第1章 1.1 電波とは」
https://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/14/14761/14761_wire_1-1.pdf
---------以下は、ワイヤーアンテナ【オンデマンド版】見本から引用-------
>さて,このコンデンサの両極板間に変位電流が流れると,アンペアの右ねじの法則(図1-3)から,
この電流により磁界が生じ,この磁界は変位電流の変化とともに変わります.磁界が変化すると,そ
の周囲に起電力が生じます.
これは,ご存じのファラデの電磁誘導の法則(図1-4)で,空間で磁界が変化すれば,その変化を妨
げる方向に電界が発生します.
このように考えていくと,変位電流によりその周辺に変化する磁界が生じ,さらにこの変化する磁
界により変化する電界を生じます.また,この変化する電界は変位電流で,これにより再び磁界がで
きます.このように電界と磁界は互いに関係しあって図1-5のように,あたかも鎖の輪のような感じで,
遠くへ遠くへとつながっていきます.
これが,電波が空間を飛んでいく原理だと考えればよいでしょう.
【図面のコピー】
----------ここまで、引用した内容----------------------
ここで何が問題なのかを言うと電界(電場)のループと磁界(磁場)のループが互い違いに生じているかのように描かれているところです。これだと平面波で述べた電場と磁場の関係である
電磁気学(116)波動方程式(14)平面波(10)位相項が加わった場合の平面波
https://jo3krp2.seesaa.net/article/519690075.html
の最終式を掲載しますと
kE×Eo-ωBBo
kE=kB
ωE=ωB
θE=θB
から、位相θEとθBが、この時間差だけずれていることになるからです。すなわち、電界の波と磁界の波の位相が異なることを意味してしまいます。しかし、実際は、上記の式から全く同相であることが証明されているのです。
つまり、電場と磁場と発生時間のずれは全くありません。マクスウェル方程式に従うメカニズムにより、全く同時に発生することに注意して欲しいのです。
前回述べたマクスウェル方程式の
▽×E=-∂B/∂t
▽×H=J+∂D/∂t
から、ここでは、真空中(自由空間)において、電荷ρや導電電流Jは無いことを前提としているために上記式は、
▽×E=-∂B/∂t ....(1)
▽×H=∂D/∂t
(∂D/∂tが変位電流を意味する。)
または、現在の主流の記載だと磁場を磁場の強さH→磁束密度B、また電束密度D→電場Eに書き換えして
∇×B=(ε0 μ0)∂E/∂t ....(2)
のほうがここでの説明として解りやすいかもしれません。
式(1)は磁場の時間的変化が電場の回転を生じ、式(2)は電場の時間的変化が磁場の回転を生じることを意味します。この電場Eと磁場Bの回転には、上記図1-5のようなお互いの遅延関係は無い考えとなるのです。
言い換えるなら、
「変位電流からまず磁場が発生して、その後、僅かに遅れて磁場の影響により電場が発生する。そして、次には、この電場の影響により、次の新しい磁場が少し遅れて発生する。」という解釈ではないということです。
正しくは、次図に示すように電場と磁場は時間的に全く同じタイミング(同相)でお互いの場(ここでは互いに直交するループで表現)を発生しています。
(正しいイメージ図)
この問題となった図1-5同様の図は、当ブログでも当時誤ったまま「電場と磁場の連鎖関係の図」として、過去の記事で掲載しておりました。ただし、その後に、その図には誤りがある旨の説明を赤字にて掲載しています。
【誤りの電磁波の伝達イメージ図】
電磁気理論第4弾 時間変動する電磁場のまとめ(電波の予言を示した2つの式)
https://jo3krp2.seesaa.net/article/201003article_9.html
そして、全く同タイトルとして、これを補正した当ブログ記事は、
【正しい電磁波の伝達イメージ図】
電磁気理論第4弾 時間変動する電磁場のまとめ(電波の予言を示した2つの式)
https://jo3krp2.seesaa.net/article/201205article_1.html
があります。こちらにある図が、今回問題とした図1-5を正しく描いたものと思っています。
このときの図1-5のような連鎖関係は誤りであるといった根拠の文献は、
----------------------------
わかりやすい電波と情報伝送
後藤尚久(編)
発行:オーム社
2009年
-----------------------------
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784274208089
になります。
<補足>
後藤尚久氏は、アンテナに関する研究者の日本を代表する一人でした。次の情報によれば、2023年12月14日(88歳)に亡くなられたとあります。
https://app.journal.ieice.org/trial/107_5/k107_5_480/index.html
過去の業績については、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E8%97%A4%E5%B0%9A%E4%B9%85
で確認できます。
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