ワイヤーアンテナ本【再編】(3)微小線状アンテナ(微小DP)による電界と磁界

 ここからが、本題の始まりとも言える「アンテナ理論」です。ただし、今回部分は、ほとんど「ワイヤーアンテナ本」(オリジナル版)の内容と説明図1-8の引用です。
(本論)
[3] 微小線状アンテナのよる電界及び磁界
 ここでは、これからお話するワイヤー・アンテナの知識となる微小線状アンテナ(ヘルツ・ダイポールともいいます)から発生する電界、および磁界について説明することにします。
図1-8微小ダイポールからの電流と磁界.PNG
 この線状アンテナの長さΔLは、高周波電源周波数の波長λに比べて十分に短く(ΔL≪λ)、アンテナ上に流れる電流はどこでも同じ大きさで、その電流をI(実効値)として、図1-8に示すようにZ軸上に置きます。
 図1-8に示す観測点P(r,θ,φ)における磁界および電界Eは、前述のマクスウェルの電磁界方程式から求めるわけですが、途中の難解な式を省略して結果だけを記すと、
φ=(IΔL/4π)(jk/r+1/r^2)sinθ・e^(-jkr)  
Hr=Hθ=0
(∵ k=ω√(με)=ω/c=2π/λ k;波数 c;光速)
                   ....(3)
になります。

 同様に電界Eは
Er=(2IΔL/jωε4π)(jk/r^2+1/r^3)cosθ・e^(-jkr) 
θ=(IΔL/jωε4π)(-k^2/r+jk/r^2+1/r^3)sinθ・e^(-jkr) 
φ=0
(∵ ε:誘電率(F/m),μ:透磁率(H/m) )
                   ....(4)
となります。
 (3)式および(4)式からZ軸上に置かれたヘルツ・ダイポールから発生する電界と磁界が明らかになりました。

 これらの式から磁界はφ成分のHφだけでr成分のHrとθ成分のHθはもたないことがわかります。また、電界はr成分のErとθ成分のEθをもち、φ成分のEφはもたないことがわかります。

 さらに、電界、磁界には1/r,1/r^2,1/r^3の項をもっていますが、距離rが大きくなると1/r^2,1/r^3の項の値は1/rの項に比べて非常に小さくなって無視することができるので、遠方に到達するのは1/rの項の成分だけになります。

 そのとき、1/rの項を放射電磁界、1/r^2の項を誘導電磁界、1/r^3の項を静電界といいます。

(以下、次回に続く)

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