ワイヤーアンテナ本にある理論(結果)式の導出(12)微小DPアンテナを電流源とするAを求める。

 前回求めた式を今回の目的である一様な電流分布をする微小DP(ヘルツダイポール)アンテナに適合させます。
(本論) 
 前回導出できた式
=(1/4π)∫(o/r){e^j(ωt-kr)}dv ....(24)
をアンテナ電流から計算できるように式を見直していきます。まず、電流源が(太さが無視できる)細いワイヤアンテナの場合には、式(24)の体積積分は線積分に変換できます。また、非常に短い長さ(Δl;lはLの小文字)の線状アンテナだとしますと、これに比べて、アンテナからの距離rが十分に長ければ、積分区間(アンテナ線上の片端からもう一方端まで)でrの変化を無視できますから、rを(一定とみなして)積分式から外へ出すことができるのです。

 よって、長さΔlでその間、一様な電流分布をもつ微小アンテナ(これを、ヘルツダイポールアンテナと呼びます。)によって生じるベクトルポテンシャルは、そのアンテナに流れる電流を(ベクトル表示)とすると電流密度oとの関係は、oを断面積Sについて積分する式で示すことができて
=∫o dS
  S
これより
o dv=∫o dS Δl=Δl ....(25)
v   S

ですから、式.(24)の右辺の積分式だけをみれば
∫(o/r){e^j(ωt-kr)}dv=(IΔl/r){e^j(ωt-kr)

=(Δl/4π){e^j(ωt-kr) }/r   .....(26)

 さらに、通常ですとe^(jωt)の項は省略していますので

=(Δl/4π){e^(-jkr) }/r .....(27)
となります。

式(26)や式(27)よりわかることは、ベクトルポテンシャルの方向は、電流源oと同じ方向、すなわち、電流の方向と一致しています。よって、Δlの方向になります。

 このようにしてがわかると後は最初に述べたところの
=▽×  ....(1)
によって、微小DPアンテナの磁界が計算できます。また、変位電流だけ存在する空間領域では、
マクスウエルの第1方程式
▽×o+(σ+jωε) 
において、その点における電界は、(導電率σ=0、電流源o)の空間となるので
▽×=jωε

=(1/jωε)▽× 
で計算できます。

 これでやっと微小DPアンテナにおける電磁界(EH)の計算ができる準備ができました。

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