ワイヤーアンテナ本にある理論(結果)式の導出(14)微小DPによる電磁界(2)磁界の計算(1)

 まず、アンテナ電流から求めたを使用して磁界を求める手順となります。それには、アンテナの座標位置に注意します。アンテナの長さ方向をz軸上にとり、DPですからアンテナ線の中央で給電するとして、アンテナの中心部を原点Oに置いた状態とします。ただし、微小DPの電流分布は、通常のλ/2DPとは違い、アンテナ上の電流分布は一定です。それを図示したのが第2.1図です。
第2.1図微小長さ線状アンテナ2.png
(本論)
球座標(r,θ,φ)における∇×の計算式は、
rot=∇×
          | r       r θ     r sinθ φ |
 =1/(r^2 sinθ)|∂/∂r    ∂/∂θ    ∂/∂φ |     
          | Ar     r Aθ   r sinθ Aφ |
                             ....2-④
 前回説明が漏れていますが、行列式の上段の
r  (r方向)
θ  (θ方向)
φ (φ方向)
 これらは、球座標における各方向の単位ベクトルを意味します。

2.1.1 磁界の計算
 第2.1図のように、波長に比べて微小な長さΔl(Lの小文字)の線状アンテナをz軸の方向に置き、Δlの間の電流分布は一様で実効値Iの電流が流れているものとします。

 ベクトルポテンシャルを与える式は、
=(Δl/4π){e^(-jkr) }/r .....2.①
となりますが、第2.1図の場合、の方向は電流の方向と一致しますからz方向成分だけとなります。

=Az=(IΔl/4πr)e-jκr・  ....(2.1)

Az=(IΔl/4πr)e-jκr ....(2.1)’
 ここで、はz方向の単位ベクトル、Iは電流ベクトルの実効値

※ ワイヤーアンテナ本にある理論(結果)式の導出(13)
  「光・電磁波工学」本による微小電流源からAを求め方【まとめ】
   https://jo3krp2.seesaa.net/article/519874609.html
の最終部分にある
「次に、微小電流源から放射される電磁界を考える。この場合、電磁界は球面上に放射されるため。球座標系(r,θ,φ)で考えると都合がよい。電流源が座標原点に置かれ、z軸方向に向いているものとする。このときR=rとなり、補助ベクトルの成分はz軸成分Azのみとなる。さらに、電流源の長さをΔl、太さを十分細いものとし、全電流を実効値Iを用いて考えれば、電流源の体積積分は、IΔlとなり、Azは次式のようになる。
Az=(Iμ0Δl/4πr)e^-jkr  ....(7.5)」

となって、式(2.1)’と式(7.5)は、μ0を別とすれば、全く一致したことになります。

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