ワイヤーアンテナ本にある理論(結果)式の導出(15)微小DPによる電磁界(3)磁界の計算(2)

 ここでは、前回の第2.2図から次の関係を読み取る必要があります。
AzrAr+θAθ
 ただし、
 ;z軸方向の単位ベクトル
 r;r方向の単位ベクトル
 θ;θ方向の単位ベクトル
Ar=Azcosθ
Aθ=-Azsinθ
Aφ=0
そのためにベクトルAz部分を拡大した第2.2図を用意しました。

(前回の続き)
 ベクトルポテンシャルがわかりますと磁界は、式2-②から求まります。ここでは、式2-②から磁界を球座標で求めます。球座標で解くには、方向成分Arとθ方向成分Aθが必要となります。それらを求めるため次の第2.2図を参考にします。
第2.2図ArとAθ2.png
 第2.2図から
Ar=Azcosθ           ....(2.2)
Aθ=-Azsinθ          ....(2.3)
AzrAr+θAθ
  =rAz cosθ-θAz sinθ
                 ....(2.4)

 ここで、前回で求めた
Az=(IΔl/4πr)e^-jκr ....(2.1)’
を(2.2)と(2.3)式に代入しますと

Ar=(IΔl/4πr)cosθ・e^-jκr  ...(2.5)
Aθ=-(IΔl/4πr)sinθ・e^-jκr ....(2.6)

※注;上記式の「・」は、ベクトル内積ではなく、掛け算の意味

また、第2.1図と第2.2図から、Azはとθの関数であってφの関数ではないのでAのφ方向成分は
Aφ=0
となります。そして、Azはz軸に対して回転対称です。そのため、φ方向に対して一定です。そのため、このφに対する増減を求める∂/∂φは、
∂/∂φ=0
となります。

(∵ 「光・電磁波工学」本 第7章 演習問題7.1の略解 P220~221
    Aφ=0  ....(A.16)
    式(A.16)からAφ=0であり、Azはz軸に対して回転対称、つまりφ方向に対して一定であり∂/∂φ=0となる。
 )


以上の条件を入れて、磁界を式(2-④)によって、
=▽× 
          | r       r θ     r sinθ φ |
 =1/(r^2 sinθ)|∂/∂r    ∂/∂θ    0   |     
          | Ar     r Aθ    0   |
                             
となります。上式の行列式を計算すると磁界はφ方向成分だけとなることがわかります。

=(φ/r){ ∂/∂r(rAθ)-∂Ar/∂θ }
 ={ (IΔl/4πr)(-sinθ)(de^-jκr/dr)   
    -(IΔl/4πr^2)・e-jκr・(dcosθ/dθ) }φ    
 ={ (IΔl/4πr)(-sinθ)(-jk)・e^-jκr   
    -(IΔl/4πr^2)・e^-jκr・(ーsinθ) }φ 

 その成分だけを表示すれば、
φ=(IΔl/4π)( jk/r+1/r^2)sinθ・e^-jκr   
Hr=Hθ=0
                     ....(2.7)
となって、ワイヤーアンテナ本では結果式としてだけ表示していた式(3)を求めることができました。

※ 式(3)とは、
 Hφ=(IΔL/4π)( jk/r+1/r^2)sinθ・e^-jkr  
 Hr=Hθ=0
   (∵ k=ω√με=ω/c=2π/λ)
                           .....(3)
  ワイヤーアンテナ本【再編】(3)
   微小線状アンテナ(微小DP)による電界と磁界
    https://jo3krp2.seesaa.net/article/519766126.html

 

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